疑問「電子書籍で読むと脳は働かない」説について

日常の身近に疑問は数ありますが、
「これも本当のところはどうなんだろう?」と思っていることがあります。

それは、時々耳にする
「電子書籍で読むと脳が働かなくて理解が遅い」という話です。

あれって真実はどうなのでしょうか?

だってせっかく読んでても、肝心の頭働いてなかったら大問題でしょう。。

しかし「頭が働いているかどうか」くらいのことなら
実体験からその真偽が掴めそうなものですが、
どうなんでしょうね?

僕はあまり電子書籍読まないから、参考になる経験が少ない。
電子書籍をよく読む人は自分自身の経験からどう感じているんだろうかと思います。

「噛まずに飲み込む」

ところで、この話をすると、友人が

「紙の本と比べて電子ブックは自然と読み飛ばしてしまうからではないか」

と言いました。

そういう話なら分かります。

それは脳がどうこうというよりは、習慣なり癖の話。
「柔らかいものはついついよく噛まずに飲み込んでしまう」
みたいな話ですね。

それなら、なるほど、ついつい読み飛ばしているのなら
本の内容をしっかり理解できないのは当たり前です。

(その友人が、続けて「何度か、感動するような物語を読んだのにまったく感動してない人たちがいて、彼らは皆Kindleで読んでいた」という話も付け加えてくれました。)

そして、その話の流れで、
「噛まずに飲み込むのは身体に悪いように、読み飛ばすのも頭に悪いはず」
と冗談混じりに言って笑いました。

いや、あながち冗談でもないかも知れないです。
一理ある。

つまり、例えば自分の頭を使うことをせず、ひたすら
“情報のシャワー”を浴びたことで物事を理解した気になったが故の
健康状態の悪化ならぬ”知性の劣化”もあるのでは・・。

だって実際、そういう人いますよね。
IT革命(笑)後のこのご時世、顕著に増えてると思います。

「急がば回れ」みたいな話

ちなみに、これは以前にも近い話を書きましたが、「飛ばして(流して)何かをおこなう」のが、無意味どころか逆効果になり得ることは、アート・スポーツ・スキル学習の世界ではよくあって、多くの人が経験することかもしれません。

僕は昔、楽器を練習していましたが、あれも時間をかけて、「ゆっくり丁寧に」練習する必要がありました。

その一方で、すっ飛ばして、要領よく、手早く、「弾けてる気になる」こともある程度は可能です。

楽器を練習していた頃の僕自身も、そのスタイルが知らずにクセになっていました。

練習本のページがどんどん進み、レパートリーは(完成度の低いまま)増えて、憧れの曲が”形の上では”弾けるようになったりもしました。

しかし、その後で、憧れの曲よりもずっと簡単なはずの曲がしっかりと弾けないことに気づいた時に、自分が演奏の基礎体力・本当のスキルはつけてこなかったことを悟りました。

楽して身に付けた癖が成長を妨げ、成果は”ずさん”になり、結局はずいぶん戻ってやり直すことになる。
拙速さという悪い癖は、長い目で見たら逆効果なのです。

(最近ではアメリカ人の先生から英語を習っていますが、先生が発音について「学生は、苦手な音を早く読んで飛ばす傾向がある。練習のためには、早く読むよりも、ゆっくり丁寧に読む方がいい」と言っていました。これも似た話だと思います。)

まとめ

話が逸れましたが、電子書籍に話を戻すと、

複雑な話は抜きにしても、
「確かに便利さによって体験の質は変わり得るなあ」という話ですね。

もちろん、電子書籍や便利さそれ自体の良い悪いの話ではありません。
便利なことは基本的には良いことです。

しかし、ここまで書いてきたように、
「噛まずに飲み込むのは身体に悪いように、
 読み飛ばすのも頭に悪い」
という状況には気をつけたいとは思います。

こう言うと陳腐ですが、
「大事なことを見失わないようにしないとなあ」と・笑

PS.
今日書いたような内容も踏まえてですが、
「本を年間何百冊読みました」みたいな話を聞くと、
僕は個人的には”ナンノコッチャ🤡”と思っています。