「魔法の薬」じゃない、創造的人生の処方箋

創造的な人生は、キャッチーなスローガンでも、抽象的な理念でもなく、
実際に「創り出す」ことを中心にして人生の生き方です。

「自分の人生に何があったらいいだろう?」

この率直な願望から、望む成果を思い描き、実際の行動に移し、
現実の人生の中に創り出していくことです。

絶好の出発点、新しい景色

創造の出発点である、「願望」について大切なことは
「本当にそれが欲しい」ということです。

願望は大きくて小さくても良い。

ついつい「願望は大きなものでないといけない」や、人よっては「人や社会の役に立つものでないといけない」などと思いがちですが、これらは思い込みのトラップ。

このような思い込みがあると、自由に素直に考え始めることができません。

本人であることが重要で、大きさ、立派さや、人の評価などは関係ないのです。

「こんな部屋に住みたい」と思って部屋を模様替えをするとか、
「大切な人と良い時間を過ごしたい」と思ってディナーの会を計画するとか、
身近だったり、個人的だったり、小さなことであっても、
それが本当に大切なものであればいい。

創造的な生き方とは、そうやって、自分の大切な価値(観)のために、
自分で選択し、行動し、人生を創り出していくということです。

この姿勢と考え方を身につけること、
そして実際に創り出すことを中心に人生に取り組むことで、

「状況や環境に反応したり対応する生き方」
から
「自分の望みに従った内発的な生き方」
へとシフトします。

そうすると人生の景色が変わり、人生との関わり方と経験の質が変わる。

いわゆる「人生が変わる」という経験をします。

魔法の薬を探す人々

ところが、以前に、この話をすると、

「創造によって人生が変わると、どうして言えるの?」

と訝しげに言った友人がいました。

それは「本当にそんな素晴らしい魔法の薬のようなものなの?それは言い過ぎじゃないですか?」といったニュアンスです。

これは本人は慎重で疑い深いつもりの、早とちりです。

というのは、最初から「何にでも効く魔法の薬」のような話なんてしていないのに、
その友人は勝手にそういう解釈をして受け取ったわけです。

これはよくある類の勘違いです。

その人は自己啓発やスピリチュアルの勉強に熱心で、おそらく巷に溢れる成功法則やスピリチュアルな法則に感化されてのことでしょう・・

というのは、そういう業界では、色んな名前を付けて、「これさえあれば人生が変わる魔法の薬」のようなものが売り出されています。

そうして、「秘密の法則を知れば、一発逆転」の世界観が前提になっているからこそ
「本当にそれで人生が変わるの?」という訝しむ質問になったのだと思いました。

ありきたりで、素晴らしいもの

しかしここまで書いたとおり、
創造することは別に「魔法の薬」や「秘密の法則」の類ではありません。

現実の人生を生きるための一つの方法です。

自分の望みからビジョンを描いて、
それを達成していく実践的なプロセスのことです。

魔法のテクニックを駆使したり、不思議な現象を期待したり、
秘密の法則を利用して「人生一発逆転」を企むものではない。

その途中で、魔法のような瞬間を経験したり、偶然が手伝ったり、幸運に恵まれたりすることはあるかも知れませんが、それらはむしろ副産物です。
人生の創造、創り出しながら人生を生きることは、あくまで現実を見て、地に足を着けて達成していくプロセスです。

そして同時に、ある意味では、魔法よりも不思議で素晴らしいものがあります。

それは、自分として人生を生きて、そ
の中で自分で望んで、選んで、
何かを新しく創り出すことができるという
ありきたりで、特別な経験です。