言葉に惑わされず現実を生きる


Yuです。2回目の投稿です。

前回の”はじめましての意気込み投稿”の続き、のようなイメージです。

前回は「自分に正直に、人生を豊かに生きる」みたいなことを小声でこそっと言ったような言わなかったような、そんな風に記憶しています・・

正直言って、言葉だけならいかにも綺麗で、わざわざ書くのは恥ずかしかった。(今でも恥ずかしい。)

そう。。

「言葉だけなら」・・ここがポイントです。

夜の街を徘徊する大統領


というのは、「口では何とでも言える」「言うは易し、行うは難し」などなど、数ある箴言(?)を持ち出すまでもなく、何事においても本当に重要なのは言葉やアイデアではなく、

「現実にはどうか?」

です。

“セルフ(自己)イメージ”なんていう言葉もありますが、頭の中や言葉の上では、誰でも立派な人間になれます。

それが現実の上でもまかり通るなら、週末夜に街をうろつく酔っ払いはみな大統領です。(参考: Zazen Boyz「WHISKY & UNUBORE」)


しかし酔っ払いがどんなに言い張ったところで、彼は現実には大統領ではありません。

(話は逸れますが、悪事を働く人間は、本人の中では「自分は善人」だったりしますね。)

現実というのは、現実です。嘘や誤魔化しは通用しない。

ところが「大統領」のように荒唐無稽なアイデアを迂闊に真に受ける人は少なくても、これが抽象的だったり綺麗な言葉だったりすると、”うっかり”が起こりやすい。

(これを悪用する人たちが、詐欺師やカルト宗教家。厳しく見ると、マスメディアや知識人、政治家の中なんかにも見られるかも知れません。)

なので、もっともらしい言葉ほど、時々慎重に考える必要があります。

言葉の裏には・・


「自分に正直に」「人生を豊かに生きる」なんていうのは昨今ありふれたメッセージです。

普通は、自分に正直に生きたくない人はいないでしょうし、人生に豊かさを望まない人もそうはいないでしょう。

例えば自己啓発やスピリチュアルと呼ばれる、言わば”生き方”系コンテンツには、こういったメッセージは山ほど溢れています。

それは、皮肉にも、「自分らしさ」や「人生の豊かさ」といったコンセプトに対して、どこか不安や不満不足を感じている人々が多い、という事情を物語っているような気もします。
しょっちゅう容姿の話ばかりする人は、傾向として、自身の容姿に不満や不足を感じている。みたいな話ですね。

(後で触れますが、むしろそういったコンセプトが、そのような人々を生み出している、という状況もあります。)

自分からわざわざ「テーマ」とか言って持ち出しておきながら逆説的なことを言いますが、一般的に、自分に正直に生きている人ならわざわざ「自分に正直に」なんて言わないものです。

同じく、人生の豊かさを味わって生きている人なら、わざわざ「人生を豊かに生きる」なんて言わないものです。(あくまで一般的に、ですが。)

皮肉に聞こえますが、現実の一側面です。
そして、別の側面から目を凝らせば、実際に大それたことを考えていたり言葉にしたりしなくても、地に足を着けて自分の人生を生きている、普通の、素晴らしい人達はいるわけです。

どんなに言葉を駆使しても現実はびくともしない


もちろん、こういうことを言ったり考えることが良くない、ということではありません。

言葉やアイデア、コンセプトそれ自体は、「現実にはどうか」とは直接の関係はない、ということ。
(そして、本当に重要なのは「現実にはどうか」の方であるということです。)

そういう意味では、例えば僕は「言葉それ自体に影響力がある」と考えるレベルの”言霊信仰”や”アファメーション”を否定している・・と言うとカドが立ちますが、度外視していると言えます。

言葉の力を軽視したいのではなく、現実を軽視のしようがないからです。

どんなに言葉を駆使しても、現実はびくともしない。
何故なら言葉は言葉だし、現実は現実。
客観的にそうなのです。

歪む世界


一方で、言葉/アイデアが「現実」にとって直接関係がないどころか、悪さをする場合があります。
これは先に例に出した「言霊信仰」とは別のレベルの話です。僕ら側の認知の領域の話です。

言葉/アイデアに囚われ過ぎて、その言葉/アイデアに現実を当てはめて、現実を見る目を歪めてしまうのです。

これは色々と不味いのですが、ここではあまり詳しく掘り下げません。ただ、今回の話の文脈で言うと、例えばどういうことが起こり得るか。

先のテーマで言うと、「私は人生を豊かに生きていない」「今の私は自分らしくない。自分らしさが分からない」と言って、必要以上に不安を感じたり、自分を責めたり追い詰めたりするのです。

と、こう書くと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、こういうことは結構あるあるです。
実際、僕は大小たくさんのケースを見聞きしてきました。
ありがちなトラップなのです。